やや以前のことだがー。
ブエノスアイレスでのIOC総会で、
日本の五輪招致の説明( プレゼンテーション)に先立ち、
高円宮妃久子殿下が東日本大震災の復興支援への感謝のお言葉を、
優雅に格調高く述べられた。
そのまま会場を後にされた。
五輪招致活動に関与しているとの
印象を避ける為だ。
妃殿下のご存在が結果的に、 投票行動に頗る重大な影響を
与えたとしても、 皇族が自ら招致活動に関与されるのは、
差し控えねばならなかった。
安倍政権は五輪招致を成功させる為に、
強硬にそれを求めた。
宮内庁は「皇室の政治利用」を阻む立場から、それに抵抗。 上述のような形で、妃殿下にお出まし戴くことになった。
当時の風岡典之長官は「 招致活動の一環と見られかねない懸念もあり、
苦渋の決断だった」 と語り、
「両陛下もご案じではないかと拝察する」と付け加えた。
これに対し、菅官房長官は
「 宮内庁長官の立場で両陛下の思いを推測して言及したことは、
非常に違和感を感じている」と厳しく批判。
保守系知識人の中には
「久子さまのスピーチは『皇室の政治利用』 とは言い難い。
…ギリギリのケースの前例と考えるべきだ」( 八木秀次氏)などと
弁護する発言も。 妃殿下は陛下のご懸念を踏まえ、
十分な配慮のもとに振る舞われた。
政府の強い要請にも拘わらず、
決して皇族としての節度を越えたものにはならなかった。
しかしそれは、難しい場面で、
妃殿下に極めて賢明にご対処戴いたから。
政府の要請が妥当だったとか、
これを「前例」 にして良いという話では、全くない。
同年のお誕生日に際しての記者会見で、
次のように発言されていた。
参与も宮内庁長官始め関係者も、
この問題が国政に関与するかどうか一生懸命考えてくれました。
今後とも憲法を遵守する立場に立って、 事に当たっていくつもりです」
と。 宮内庁長官を批判した菅官房長官を叱り、
たしなめたに等しい。
そもそも、 宮内庁長官が陛下のご意思を勝手にデッチ上げるような
発言をする 、と決めつける方がどうかしている。
この種のご発言をなされない、
陛下のお立場を理解しているのか。
先頃、時事通信社の解説委員、田崎史郎氏が独自の取材により、
この件についての陛下のご真意は、以下のようだったろうと、
結論付けた。
五輪招致を国民が望んでいるにしても、 招致が実現したら
政権にプラスになるし、 実現しなかったらマイナスになる性格を
帯びている。
また、 国際間で争われている問題に皇室がかかわるべきではない」と。
これまでの陛下のご言動も勘案して、ほぼその通りだろう。
やはり、政府のごり押しは、 陛下のご意思に背いていたと言う他ない。
少なくとも宮内庁長官が陛下のご意思を無視して
発言するはずがな い、と思った方がいい」と述べている。
五輪の東京開催という大きな成果を得る為だからと言って、
皇室の政治利用が許される訳ではない。
尊厳かつ公正であるべき皇室を、特定の政治的意図の
「手段・道具」 として扱うことを意味するからだ。
関係者には改めて猛省が求められる。
平成25年9月7日。
日本の五輪招致の説明(
妃殿下は降壇後、
これは皇族が直接、
印象を避ける為だ。
妃殿下のご存在が結果的に、
与えたとしても、
ところが当時、
強硬にそれを求めた。
宮内庁は「皇室の政治利用」を阻む立場から、それに抵抗。
結局、
当時の風岡典之長官は「
苦渋の決断だった」
「両陛下もご案じではないかと拝察する」と付け加えた。
これに対し、菅官房長官は
「
また、
「久子さまのスピーチは『皇室の政治利用』
…ギリギリのケースの前例と考えるべきだ」(
弁護する発言も。
無論、
だから、
しかしそれは、難しい場面で、
政府の要請が妥当だったとか、
これを「前例」
現に陛下ご自身、
「今度の場合、
今後とも憲法を遵守する立場に立って、
と。
これは、
たしなめたに等しい。
そもそも、
発言をする
直接、
陛下のお立場を理解しているのか。
先頃、時事通信社の解説委員、田崎史郎氏が独自の取材により、
この件についての陛下のご真意は、以下のようだったろうと、
「個別の政策案件にかかわってはいけない。
政権にプラスになるし、
帯びている。
また、
これまでの陛下のご言動も勘案して、ほぼその通りだろう。
やはり、政府のごり押しは、
田崎氏も
「
発言するはずがな
五輪の東京開催という大きな成果を得る為だからと言って、
それは、
「手段・道具」
関係者には改めて猛省が求められる。